大会長あいさつ

 2024年3月に京都大学で開催された第4回大会で、心理療法について学び合うあたたかい体験をしたのがついこの間のように思い出されます。

 そして、第5回大会は、東京で2日間にわたり開催いたします。大会のテーマは「心理療法統合における関係性とアタッチメント」です。アタッチメントは乳幼児の養育者との関係性として知られていますが、生涯にわたる発達を包含する理論でもあります。人が感情調整や自律的な探索を学び、社会生活をする発達経路を理解する枠組みを提供します。カウンセリングでは、心理的苦痛や対人関係における困難をどう理解し、何に共感して関わるかを考える手がかりになるでしょう。個人が生活に適応してきた過程に思いを寄せて、傷つきや防衛、問題に見える行動に関わるあり方をご一緒に考えたいと思います。

 会場となる筑波大学東京キャンパスは東京教育大学の跡地にあり、東京駅から20分弱の交通の便のよい立地です。1989年に日本で初めて設立された社会人が学ぶ夜間大学院で、様々な職域の方が集い、それぞれの問題意識を元に学び研究をしています。修了生と共に準備を進めながら、皆さまと交流し、語り合う時間をもつことができますことを楽しみにしております。

日本心理療法統合学会第5回大会 大会長 安藤智子